スポンサーサイト

--–--–-- (--) --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

チョッパー VS アナログTV   ~王者の風格~

2008–08–25 (Mon) 19:25
 あいつはいつも俺の隣にいた。
 だがそれは俺に牙をむくための、ただの儀式にすぎなかった……。
 ――時は二〇XX年、日本は、地デジの電波に包まれた!
 ブラウン管は枯れ、アナログ電波は裂け、全てのアナログTVは死滅したかのように見えた。
 だが、 アナログTVは死滅していなかった!
「ビリビリビリビリ……」
「ん? なんだ? 急にノイズが出てきたぞ?」
 すぐにやむだろうと思っていた俺の予想とは裏腹に、ノイズはますます激しくなった。
「おい!? どうした? しっかりしろ!!」
 どうすることもできず、ただ呆然と立ち尽くしていると、なにやら声のようなものが――。
「ビリビリ……ふっふっふ…時は来た!……ビリビリ……」
 俺は思わず聞き返した。
「な、なに!? どういうことだ!」
 奇妙な声が俺にささやく。
「ビリビリ……このテレビは俺が支配した……ビリビリ……」
 その一言で俺はこの声の主がデジタルTVの手先であることを悟った。
 しかしどうやって? いや、今はそんなことを考える余裕はなかった。
 俺はあいつらの恐ろしさを知っている。
 だからこそ今まで辛い修行をこなし、立ち向かうため努力をしてきたんだ。
 ― チョッパー、それは古くから人々の間で受け継がれてきた恐るべき拳法の達人―
 ブラウン管TVにある一〇八個の秘孔を的確にチョップすることよって、
 中にいる敵を一瞬にして消し去る恐ろしい技だった。
「ビリビリ……このTVはもう終わりだ……ビリビリ……」
 息を吸うと同時に落ちる汗が床に着く前に俺は次の行動に出ていた。
「あたぁ! あたぁ! あたたたたたたたたたた……」
 宙舞うほこり達が俺のチョップに引き裂かれる!
「あたたたたたた! ほぅぅぅあっっったぁぁぁ!」
 轟音とともに周りの空間が波打った。
「ビリビリ……なんだ? 今のは? 痛くもかゆくも――」
 勝負はもう、着いていた……。
「お前はもう、直っている!」
「ビリビリ……!? ヒリ…ひっ! ひでぶぁ!! ……ツー……」
 ノイズが消えた瞬間、汗が花火のように花開いた。
 勝利の手は、熱くしびれる痛みと、いずれ訪れる最後の戦への恐怖で
 わずかに震えていた……。 
  

人気ブログランキング
スポンサーサイト

麦茶ニスト VS シリアル     ~イチゴの甘く切ない裏切り~

2008–08–18 (Mon) 19:31
「いただきます……」
 その言葉はそんなに簡単に言えるものではなかった。
「な! なんだこれは!?」
 俺は普段通りその小さな茶色のお椀がいつもの味と香りを送ってくれると思っていた。
 しかし今回は偶然にも違っていた。いや、必然的な間違いであった。
―事の始まりは昨日の昼―
「お! イチゴ味! いいねぇ」
 俺はふと目に入った奴を何のためらいもなく手に取った。
「明日の朝はこれだな!」
 そう軽い気持ちで購入したそれは、いつもの橙色のトラとは違っている。
 しかし、今までの経験から奴の味はなんなく想像出来た。
 そしてそのまま一日が終わり、奴は再び俺の前に姿を現した。
 赤色の外殻が殻を破り、銀色の内殻が顔を出す――。
 ふんわりとしたやわらかいイチゴの香りが俺の鼻から脳へと駆け抜けた。
 ――これは期待できるぜ!
 やさしく内殻を開き中枢へと進んで行くと、
 奴はまるであざけ笑うかのようにこっちを向いていた……。
「か、乾燥イチゴ!」
 悪い予感が頭を過った。
 しかし俺はその香りを信じ、いづれ訪れるであろう甘く懐かしいあの感覚を、
 頭の中いっぱいに広げ、準備を整えていた。
 俺は不安をかき消そうと奴を手に取りお椀に投げ入れミルクを注いだ!
 だが俺の中の不安はそれほどたやすくどうこうできるものではなかった……。
「いただきます……」
 勇気を振り絞って口の中に入れ噛みしめた瞬間、初めて俺は
 俺の犯した事の重大さに気づいた――。
「な、なんだこれは!? あ、味が………ない!!」
「ひっかかったわね!」
 お椀の中のイチゴが俺を見て言っているようだ。
 俺の震えが自分自身で確認できたのは、側に置いてあった麦茶を見たときだった。
「これは食えたもんじゃない――捨てよう!」
 さっきのイチゴがまた騒ぐ。
「あきらめるんだぁ?」
「!!」
 この俺を誰だと思っている! この麦茶ニストに向かってあきらめるのか? だと!?
 バカを言うんじゃない!!
 俺の麦茶で流せば何でも飲み込める能力にかかればこんなもの――。
「まわりをみてみなさいよ!」
 全てを見透かしたようなその目は、俺の頭を熱くさせた!
「その目をやめろ! この俺は――な!」
 今まで熱くなっていた頭が今度は氷のように冷たくなっていく……。
 ――ミルクだ!!
 味方だと思っていたミルクが敵に回ってしまった。
「すまない、だが私は……」
 ミルクは苦悩の表情を浮かべて語りかけているようだった……。
 ――そう、ミルクは俺にとって朝には欠かせない存在だった。
 しかし麦茶ニストにとってそれはただの邪魔者でしかない。
 俺は多少のケンカでは動じないほどの麦茶ニストではあったが、
 口の中で大戦争を始められては身がもたない。
「流し込みなしでは無理だ! やはり――」
「やっぱりあきらめるのね……あたしをたべてくれるひとなんてどこにもいないんだわ……」
 イチゴについたミルクの粒が、涙のように滴り落ちる。
「は!」
 俺は彼女の暗い過去に気づかされた。
 ――彼女に挑んだ麦茶ニストは過去に何人もいたはずだ!
 しかしその味気なさとミルクの組み合わせによって、
 未だ彼女を受け入れた者は誰一人としていなかった――
 俺はまた彼女を悲しませてしまうところであった。
 決めた――俺は心の中で叫んだ。
「もう、大丈夫だよ」
「え?」
 彼女を引き寄せ口の中へと誘った。
「ほんき!? あたしをたべるき? 
 あなたあたしがどんなあじなのか、おもいしったんじゃないの?」
 彼女を抱える手が震えかかった。
「もういいんだ……君にもう辛い思いはさせたくはない!」
「あなた……」
 口の中に入る直前、彼女の顔はミルクを吸って
 ふっくらとしたやわらかい微笑みに変わっていた。
「うっ!」
「だいじょうぶ!?」
 あまりの味気なさについ声が出た……。
「ど、どうってことないよ! 俺を誰だと思っているんだ!」
「そう、よかった……」
 もう後は飲み込むだけだ……そして、別れの時が来た――。
「ねぇ?」
「なんだい?」
「あなたがはじめてだったわ、あたしをここまでつれてきてくれたのは……」
 なぜか口の中には甘く切ない香りが広がっていた。
「でもね――」
 そして……本当の戦いが始まった!
「ぐは!」
 奴は最初からこれを狙っていたのだろう。
「あははははは! あなたってほんとばかね!」
 俺は奴の甘い誘惑にまんまとのせられ、取り返しのつかないミスを犯していた。
 それは最初の一口で気づくべき事であった。
 だが俺はあまりの味気なさにそのことに鈍感になっていた。 
 ―そう、奴は『乾燥イチゴ』だった―
 乾燥イチゴには独特の食感。ドロドロとした異質な食感があった。
「お前……最初からこれが目的だったのか!?」
「そうよ? だからなに? もんくでもあるわけ?」
「……」
 俺には返す言葉が見つけられなかった。
 ――ただ一言を除いて!!
「馬鹿はお前だ!」
「な!?」
 その瞬間、俺の口の中に大量の麦茶が流れ込んできた。
「どうして? なんでなの?」
 奴は自分の立場が分かっていなかったのだろう。
 その時、イチゴの周りにはもうミルクは残っていなかった……。
 ミルクがないイチゴは大量の麦茶の前には無力だ。
「馬鹿な奴だぜ……お前は……」
 お椀に移る自分の顔を見て俺は改めて勝利を確信した。
 我ながら奴の過去に気づいたときはためらったが所詮は乾燥イチゴ。
 乾ききった奴の心はミルクを持ってしても潤すことはできない。
 あの裏切りがその証拠だった。
 俺は最初から分かっていたことだ、計画通りなんだと言い聞かせた。
 ――脱線しかけた列車は、元のレールに収まった……。
「ごちそうさま」


人気ブログランキング

  
 

 | TOP | 

メッセージボード

- お知らせ -

ゲームを創って
おるのじゃ!
描くぜ~♪
作るぜ~♪
超見るぜ~♪


-- E N D --

プロフィール

テル196%

Author:テル196%
テルの日記196%へようこそ!

この日記の196%はネタで出来ております。
主に物語を書いたり、動画を紹介したり、
普通の日記を書いたりしています。
最近は絵をたしなんでおります。

↓↓バナー↓↓ (クリックで拡大)
バナー1

ブログ更新率

アゲハ時計

時間によって蝶の色が変化するデジタル時計です。

人生が輝き出す名言集



presented by 地球の名言
ページを更新するたびに違う名言が表示されます。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

全記事表示リンク

フリーエリア

ブロとも一覧

鬼の数

逃亡者の数

現在の閲覧者数:

ブログ内検索

もんじろう

もんじろうのコトバ変換が楽しめます♪

YouTubeLightⅢ


developed by 遊ぶブログ
設置型のミニYouTube!   気になったネタはここで検索!   終了する際は停止を押してから 再生画面を消してくださいね

RSSフィード

Lumiebre

同じ蝶がいるブログからブログへ美しい蝶が徘徊します。

リンク

人気ブログランキング

ランキングに挑戦中!クリックしてね^^↓↓

ブロとも申請フォーム

自動WEBサイト翻訳(多言語)

俺、世界進出!!

ページ移動

管理者メニュー

WEBコンサルティング・ホームページ制作のバンブーウエイブ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。